忘れ去られたキオク
──あたしがエルネストと出会ったのは、ここだったんだよね。
翔平と付き合うことになったときの記憶はあるんだけど、そこからの記憶が抜けて、いつの間にかここ...噴水広場にいたんだった。
夜で、真っ暗な中、目の前には、銀髪で切れ長の目をした俗にいうイケメン──ちなみにこいつがエルネストね──が立っていて。
でも、あたしはそんなのより、翔平が気になっていた。
『翔平はどこよ!?』ってエルネストに叫んだら、『は?』って返されたのは今でも覚えてる。