忘れ去られたキオク
少しの沈黙のあと、翔平は笑いながら言った。
「全部嫌だな」
「でしょ!?」
思わず身を乗り出して同意を求めると、それに対して翔平はうんうんと首を縦に振った。
あたし、教え方上手じゃない?
先生になれるかも!
「あたしがエルネストに会わなければ、全員がいい思いをするわけ!!
一石三鳥くらいでしょ!!」
またまたにっこにこの笑顔で言うと、次はにっこにこになった翔平が「そうだな」と言った。
そして、触れられない指と指で指切りげんまんをした。