忘れ去られたキオク
「俺、どうしたらいいんでしょう。
はっきり言って、何十年もココで地上と天国を繋げる役目をしてきて、人間に興味を持ったのは初めてなんです」
自分でも思うくらいあまりしゃべらない俺が、こんなに心の内を明かすことが出来るのは、アイリスが同じような心境だからだと思う。
「フフッ。 エルネストもかわいいところあるじゃない」
「なッ...!!」
「冗談よ。
まぁ、女の子って大変なのよね」
...──そうして、依然微笑みながら語りだすアイリスの話に耳を傾けた。