忘れ去られたキオク
最後の叫びで、エルネストは口を開いた。
「...離しても、逃げないか?」
大きく頷いたあたしに、エルネストは手の力を緩めた。
「...時間が、ないんだ。 詳しいことは、俺にも分からない」
今すぐエルネストのもとから離れて、翔平のところに戻りたい気分だった。
でも...。
「俺は今から、シーナの過去を見せるつもりだ。
どんなに、辛くても、絶対目を背けるな」
エルネストがそう呟いたと同時に着いたのは、今日も多くの人で賑わっている噴水広場。
「はぁ!? 意味分かんない!!」