星空の夜に
プロローグ
オリオン座だ…
星空を眺めて、そう思った。
涙を流し、切ない瞳で星を見る。
手を伸ばせば掴めそうなのに、掴もうとした手は空を切る。
どうして私は泣いているんだろう。
左手に握った携帯。
寂しそうに空いている右手。
どうして、目を腫らしてまで泣かないといけないんだろう。
どうして、こんなに悲しまなければいけないんだろう。
携帯を握る力を強めた。
どうして、こんなに綺麗な星空の夜に、泣かなければいけないんだろう。