星空の夜に
オレの出来事 *空夜 side*
「…はぁ〜あ…」
塾の帰り、あくびをしながら夜道を歩いた。
時間は約九時頃。
「はぁ〜疲れた」
独り言を呟きながら、久しぶりにいつもと違う道を通った。
「…うっ…うぅ…」
すると、誰かの泣き声が聞こえた。
俺はてっきり、幽霊かと思って、ピタッと足が止まった。
辺りを見渡して、フと上を見た。
上には、綺麗な星空と、マンション。
そのマンションのベランダに、一人の綺麗な少女がいた。
その少女は泣きながら星空を見ていて…
その切ない瞳に、俺は釘付けになった。
怖くて足が動かないのではなく、彼女の切ない表情に目を離せなかった。
その時、俺はきっと一瞬で恋に落ちた。