オオカミとお姫様
今日くらいいいよな。わがままな俺でも。

…ん?いい匂いがする。
詩音の香りか。香水でもつけたのかな?
どっちにしてもいい匂いだ。

「お前、いい匂いだな」

「ひゃんっ」

詩音がびっくりしたような声で鳴いた。

「ふっ…かわいいな」

かわい過ぎだよっ。
ますます離れたくなくなるじゃんか。
でも、これ以上は詩音の心臓が持たない気がする。
それくらい鼓動が加速している音が聞こえていた。

「れっ玲央…あの…」

今にも限界な感じの声で俺を呼ぶ。

「しょうがねぇな」

詩音から離れた。
詩音の顔は赤く染まっていた。
なんか俺の方が恥ずかしくなってきたわ。

「…腹減ったな。食うか」

「あっはい」

かわい過ぎて顔を見れないまま食事をとった。
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