オオカミとお姫様
「あともう一つあるんだけど」

「はい、いいですよ」

好きになってから、ずっと聞いてみたかったこと。

「俺の髪、黒い方がいい?」

「…え?」

きょとんとされた。
え?日本語伝わってない?

「ほら、金髪だと色んな奴にビビられるっつーか、ケンカとかも売られやすいっつーか…」

俺なりに説明する。
上手く伝えられてないけど…?
ふと詩音を見ると笑っていた。
俺、そんなにおかしなこと言ってる?

「何笑ってんだよ」

「すみませんっ…私は、どんな色でもどんな髪型でもいいですよ。その全部が玲央なんですから。私は好きですよ、金髪の玲央。夕日に染まった時がすごくきれいなんで」

「そっそうか…ならいいけど…」

なんだよそれっ。
答えがあまりにも恥ずかしすぎて思わず視線をそらす。
なんか、今の俺めちゃくちゃ詩音に振り回されてねぇか?

「ふふっ…」

「わっ笑うなっ」

「すみません」

そんな俺を見て詩音は笑っていた。
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