オオカミとお姫様
「あ、でも黒髪の玲央も素敵でしたよ。入学当時くらいの写真で見ただけですけど」

「あれか…懐かしいな」

まだそこまで両親に反発してなかった時だったからな…

「最初会ったときはすごくびっくりしました。写真と違うって。一瞬人間違いかもしれないと思いましたもん」

「そんなに違うか?」

そんな風に感じてたんだな。
また俺の知らない詩音の気持ちを知った。

「髪色だけで一瞬わからなくなったりするもんなんですね」

「だなっ…てことで、美容院行くか」

「はい…え!?」

突然の発言に驚きを隠せない様子の詩音。
突拍子ない発言だったからな。

「髪、勝手に戻したろ」

「あ…」

ずっと言おうと思って言わなかったこと。
そんなに嫌だったのか?あの髪型。

「嫌だった?」

「そっそんなことないです!!」

即答された。
その反応に驚きつつ、笑った。
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