オオカミとお姫様
屋上から校舎へ。
足を1歩踏み入れた瞬間にチャイムが鳴り響いた。

「え…」「あ…」

とりあえず屋上に戻った。
結局授業をサボる形となった。

「なんか、悪ぃな」

授業出たがってたのに…
申し訳ないことしたな。

「え?あ…いえ。ふふっ」

「何笑ってんだよ」

「いえ、私のお願いが叶っちゃったみたいでつい…」

「お願い?」

嬉しそうに話す詩音。
どんなお願いしたんだ?

「はい。授業に出なきゃと思ってたのですが、それよりも玲央と一緒にいたいと思ったんです。そしたら、叶っちゃったんで」

「詩音っ」

思わず抱きしめた。
そんなかわいいお願いだったら俺がいつでも叶えてやるよ。
いつでも…
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