オオカミとお姫様
そんなある日の事。
俺はいつも通り、川にいた。

どこからか、声がした。
今までに聞いたことのない声。
その声の方を見ると、ナンパされそうになっている女を見つけた。

「…溜息なんか忘れちゃうくらい楽しいことしようよ」

女の腕を掴んでいた。
無理矢理連れて行くつもりのようだ。

「あの大丈「おい、お前らここでなにしちゃってんの?」

俺は男に声をかけていた。
無関係なのに。

「あぁ?てめぇには関係ないだろうが」

関係ない。

「かもな」

「てめっ!!!」

笑ったように言ったら、男がキレて殴りかかってきた。

Σドズッドカッバコッ…

弱っ…
威勢だけかよ。
そんなことを思いながら蹴り続けた。

「…やっやめてください!もう気絶してますからっ」

男から引きはがそうとする腕が俺に絡みついていた。
そこで我に返る。

「…そう」

蹴るのをやめた。
女が離れた。

「お前、こんなとこ一人で歩いてんじゃねぇよ」

女に余計な事を言って、俺は川の方へ歩いた。
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