オオカミとお姫様
「あっ!!」

後ろの方から女の声が。

「…なんだよ。まだなんかあんのかよ」

振り向いて、聞いた。

「あの…あの、桜井玲央…さんですか?」

「そうだけど。何?」

一瞬で眉間にしわが寄った。
こいつ、…学校の回し者か。

「私、あの…あなたのクラスの学級委員で、春瀬詩音と申します。先生にあなたを学校に連れてきてほしいと頼まれまして…」

やっぱり。
助けて損した。

「やだ」

一言言い捨て、川の方へ走った。

「えっ!?」

女の驚く声がした。
< 4 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop