オオカミとお姫様
女は震えていた。
ギュっと目を瞑って。
水の中とでも思っているのだろう。

「お前、バカだろ」

「えっあっ…」

俺は少し声を荒げていた。
戸惑ったような顔の女。

「震えてんじゃん」

「すっすみません…」

女に謝られた。
俺はそのまま女を抱えて川から出た。
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