アンラッキーなあたし
「相変わらず愛想ねぇなぁ、おい」

わざとあたしに聞こえるように、ハゲが吐き捨てると、

「まったくですよね」

と、素早く合いの手を入れたのは、ハゲの腰ぎんちゃくで、お調子者の小杉。

小杉はでっぶりと太り、まるで豚のような容姿をしているくせに、性格までもが嫌らしい。

内田と並んで「嫌なやつTOP3」にランクインするこいつのことを、あたしは秘かに「ブタ」と、まったくひねりのないあだ名をつけては満足していた。


あたしは気も立場も弱い派遣なので、これが精一杯の反抗なのだ。
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