アンラッキーなあたし
「お願いします。なんでも言う事を聞きますから」

もう一度ひれ伏した。もう額でぐりぐりコンクリートに穴を開ける勢いだ。

命じられればば、ルコ先生の靴の底まで舐めても構わない。それほど、あたしは切羽詰った状況だったのだ。

「なんか、あんた勘違いしてないかい?」
スーパー土下座するあたしにルコ先生は冷たく言い放つ。

はて?勘違い?

勘違いなら年がら年中している。心当たりが多すぎて検討がつかない。

「私、一度でもあんたに、いい占い師になれなんて言ったかね?」

ええ、何度も言いました。言いましたとも。

ルコ先生の話しはいつも二転、三転する。そして、そのことに本人は気づかない。ボケているのではなかろうかと、怪しむことさえある。けど、そんなことを言ったら、塩をまかれかねない。

あたしは、ははぁーともう一度ひれ伏した。

これじゃ、まるで、熱心なイスラム教徒である。
< 109 / 354 >

この作品をシェア

pagetop