アンラッキーなあたし
「あんた、それ、すてーぷらーで留めといて」
書類をハゲに渡そうとすると、突然そう言われた。
「す、すてーぷ?」
「す・て・え・ぷ・ら・あ」
ハゲはむかつくほど一語一句を丁寧に区切り、悪臭を撒き散らしながら、あたしを見上げた。あたしは病気の金魚のように口を半開きにし、固まったままゆっくりとクビを横に倒す。
「これだよ、こ・れ」
たっぷりしらけた5秒後くらいに、ハゲが投げてよこしたのはホチキスだった。
「ホチキスっていうのはね、正式な呼び名じゃないんだよ。君、そんなことも知らないでOLしてんのぉ?信じられないなぁ」
ハゲはドヤ顔でふんぞり返ると、さも満足そうに肩をすくめた。
「はぁ」
あたしに言わせれば、コピー機もパソコンもまともに使えないくせに部長の席に座っているハゲのほうが信じられなぁいなのだが、もちろんそんなことは言えない。
書類をハゲに渡そうとすると、突然そう言われた。
「す、すてーぷ?」
「す・て・え・ぷ・ら・あ」
ハゲはむかつくほど一語一句を丁寧に区切り、悪臭を撒き散らしながら、あたしを見上げた。あたしは病気の金魚のように口を半開きにし、固まったままゆっくりとクビを横に倒す。
「これだよ、こ・れ」
たっぷりしらけた5秒後くらいに、ハゲが投げてよこしたのはホチキスだった。
「ホチキスっていうのはね、正式な呼び名じゃないんだよ。君、そんなことも知らないでOLしてんのぉ?信じられないなぁ」
ハゲはドヤ顔でふんぞり返ると、さも満足そうに肩をすくめた。
「はぁ」
あたしに言わせれば、コピー機もパソコンもまともに使えないくせに部長の席に座っているハゲのほうが信じられなぁいなのだが、もちろんそんなことは言えない。