アンラッキーなあたし
「ほれ、鼻水かみんしゃい。ブスに磨きがかかるよ」

余計なお世話だ!

ほれ、と、ルコ先生が投げてよこしたネピアのボックスの角は、ようしゃなくあたしのおでこに突き刺さった。あたしは、勢いよく鼻をかんだ。

「あんたって、自分が思ってるほどブスでもないんだけれどね」

つい十秒前、ブスに磨きがかかると言ったことも忘れ、先生があたしの顔をまじまじと見た。

「いいですよ。そんな慰め」

「美人とは言わないさ。私にくらべりゃ、月とすっぽん。バラとぺんぺん草くらいの差はあるからね」

あ、そーですか。

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