アンラッキーなあたし
さんざんこき使われ、アパートに帰ることにはぐったりとしていた。

しかし、あたしにはやらなくてはいけないことがある。そう、荷造りだ。

あと少しでこのアパートを出ていかなくてはならない。しかし、あたしはどこへ行けばいいのだろ?新居を借りる金など家中ひっくり返してもないのだ。ダメもとでルコ先生の家に居候させてくれるように頼んだが、瑞樹を理由に断られた。

勿論、ルコ先生が突きつけた条件も悩みの種だ。こんな生活で彼氏など作れるわけがない。

ああ、金と男。

この二つ、或いは、どちらかがあれば、あたしの心の重りは半分以上軽くなるのに。

けれど、そのどちらも、あたしにはない。

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