アンラッキーなあたし
「なに、焦ってんだい」

あたしの仕事ぶりを見ていられなくなったのか、ルコ先生はついにあたしを招集した。

あんたのせいだよ。あんたの出した条件の!

あたしは、うつむき、ベールをもじもじ弄ぶ。

「やっぱ、あたしには無理ですよ。三ヵ月以内に彼氏なんて」

その前に、住む場所を確保したり、借金の返済方法を考えたり、やるべきことは山ほどあるのだ。

「無理だと思うから無理なんだよ」

ルコ先生は冷静だった。

「無理です。三年以内でも無理です!」

「じゃあ、やめるかい?」

ぐうの音も出ない。あたしのどうにもならない状況を、この人は、確実に楽しんでいると実感した。

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