アンラッキーなあたし

占いの結果に満足したゆりりんとあっきーはあたしと千葉に何度もお礼を言い、帰って行った。

「助かったよ。さくらば」

「いいえ、いいんですよ、これくらい」

そう答えて後片付けを再開したあたしの手が思わず止まった。

今、こいつなんて言った？

恐る恐る振り向くと、千葉が「やっぱりそうか、桜庭かぁ」と感心し、「いや、どこかで見たことある顔だと思ったんだ」とスッキリし、「おおい、みんな桜庭が…」と他の社員達に声をかけようとしているところに、あたしは容赦ないとび蹴りをかました。

ジャンピング・キック

「い、いてぇ…、てめぇ、何すんだ」

背中のど真ん中にけりを受けた千葉は息も絶え絶え振り向いた。

いっそ、息の根を止めてやろうか。今なら誰も見ていない。