アンラッキーなあたし
おちゃっぴー(雑誌の名前)!

あたしは声に出さずに叫ぶ。

懐かしさに思わず涙ぐむ

。ああ、なぜ、廃刊になってしまったのかしら。おしいわ、本当に惜しい!オシム監督よ!

でも、雑誌名を思い出して、あたしは、さっぱりとしていた。

「なぁ、どうなんだよ」

千葉に肩をゆすられ、思わずあたしはこう答える。

「あまりにも刺激的だったわ。特に、処女のあたしには」

おちゃっぴーがね。

「そ、そうか。やっぱり、そうだったのか…」

一方、千葉はあたしが思い出の世界へ旅立ったことなど知る由もなく、がっくりと肩を落とした。

が、あたしはそのことに気づかない。あたしたちの思考回路はばらばらで、会話はかみ合っていないはずなのに、なぜか、きちんと成立していた。
< 161 / 354 >

この作品をシェア

pagetop