アンラッキーなあたし
「…ば!桜庭!」

千葉は、がばっと起き上がると、あたしの肩を鷲づかみにし、乱暴にあたしをも引き起こした。

「な、なにすんですか!」

そこで、ようやく意識は現実世界へと引き戻された。あたしは布団で胸元を隠し、千葉を思い切り突き飛ばす。千葉はベットからごろりと落ちると、いきなり土下座した。

「す、すまん!」

「な、なんですかいきなり!ってか、服着てくださいよ!」

あたしはたまらず手で顔を覆った。

「酒の勢いとはいえ、申し訳ない。この通りだ」

へ?

なんのことだかさっぱりわからないあたしは、指の隙間から千葉の姿を確認した。千葉は相変わらず全裸で土下座したままだ。
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