アンラッキーなあたし
開運グッズを手放してしまうと、あたしの荷物は驚くほど少なかった。

「え?こんだけ?」

「そうですよー」

余計な家具は実家へ送ったり、同じくリサイクルショップで二束三文で処分した。

「まあ、いいや。荷物は少ない方が助かるし」

「はい」

他人からすれば粗大ごみでしかなくても、あたしにとっては宝だった開運グッズ。それを全部失って、あたしは心細さを感じていた。

がっくりと肩を落とし、コートのポケットに手を突っ込むと、何かが指に触れた。取り出してみると、真っ黒な人形だった。

あ、これは。

呪いの人形不気味君(千葉用)だった。

そういえば、「水仕事の似合う手」事件後に購入したのをすっかり忘れていた。

これ、どないしよう?
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