アンラッキーなあたし
「あの、それで、あたしはどこへいたら…」

千葉のアパートは1LDKなのだ。寝室は一つしかない。

「ああ、お前寝室使えよ。俺、ここで寝るからさ」

千葉がリビングのソファーを指差した。

「なんか申し訳ないです」

「仕方ないさ。金、貯まるまでの辛抱だと思えば平気。それより荷物置けば」

「はい…」

あたしは、もんもんとした思いで寝室へ向い、荷物の整理を始めた。ベッドカバーはヒョウ柄からゼブラ柄に変わっていた。

ああ、ここであたしたちは…。

セミダブルのベッドを見ると、あの日の(朝の)記憶が甦り、何ともいえない気持ちになる。

あたしたちはここで一つに…。

なんて甘酸っぱいことは言いっこなしだ。あたしは自分でも気付かぬうちに処女を奪われ、しかも奪った本人は苦い記憶として胸に刻んでいるのだから。

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