アンラッキーなあたし
いじけたような千葉を見て、おや?と思った。もしかして、まだ未練があるのだろうか?

「千葉さん、その人のこと忘れてないんですね…」

「はぁ!んなわけねぇだろ!」

むきになっている。図星だ。

なんだ、千葉も普通の男じゃん。恋もすりゃ、ふられもする。そんでもって、未練たらたらもする。

「なに、にやにやしてんだよ」

千葉があたしをじろりと睨んだ。

「いやぁ。千葉さんの弱み握ったなと思って」

「なんだよ、弱みって」

「案外女々しい…」

「なわけねぇだろ!」

千葉は顔を真っ赤にした。

可愛いとこ、あるじゃありませんか。そうだ!

あたしは、ほどいたばかりの荷物からタロットカードを取り出し、

「占ってあげますよ。その人とのこと」

と千葉の前に置いた。
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