アンラッキーなあたし
「い、いらねぇよ!誰が占いなんて頼るか!女じゃあるまいし」

ぷいっと、そっぽをむいたものの、やはり、気になるらしい。あたしがカードを切り始めると。千葉はゆっくりとこちらに顔をむけた。そして、カードが並ぶ頃には、すっかりこちらをむいていたのだ。

「あー!」

「なんだよ!」

「なんでもない」

「はぁ?」

「だって、占いなんて頼らないんでしょう?」

意地悪なあたし。

「いいから言えよ!せっかくだから聞いてやるよ」

まったく、素直じゃないなと思いつつ、あたしは、カード一つ一つを指差しながら今の状況を説明した。

「まずね、彼女には今恋人がいます。けれど、うまくはいっていないみたいです。不満だらけの状況ですね」

「それで?」

千葉がぐいっと身を乗り出す。やはり気になるらしい。

「で、もう少ししたら彼女に決断の時期が訪れます」

「決断?」

「はい。今彼とうまくやっていくか、モトカレのところに戻るか」

「モトカレって?」

「千葉さんのことですよ」

あたしがそう告げると、千葉の口元が綻んだ。

「そっか、もしかしたら、あいつ、戻ってくるかもしれないのか」

「その可能性は高いと思いますよ。復活愛のカードも出ていますし」

「そうか、そうか。いや、まいったなぁ」

占いなど頼らないといったわりには、ずいぶん嬉しそうである。
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