アンラッキーなあたし
「千葉さん」

「なんだよ!」

明らかに怒っていた。相当眠いらしい。

「あたしって、あつかましいですよね?」

「だから、そうだと言ってるだろ!」

「じゃあ、あつかましいついでにもうひとつお願いしていいですか?」

「はあ?金なら貸さないからな!」

なぬ!さすがにそこまであつかましくねーよ!

居候で金まで借りたら、あつかましいの最上級、あつかましい・ザ・ベストである。

「違いますよ。そうじゃなくて…」

「じゃあ、なんだ」

「誰か、紹介して…」

てへ、ぺろ。

そう。あたしは住むところも千葉に頼り、男も千葉に頼ろうとしていた。彼氏を見つけてもらうつもりなのだ。
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