アンラッキーなあたし
「紹介って、サラ金か?」

なぜそうなる!

「違いますよ。これですよ、これ」

と、ドアに向って親指を立てたあたしは、慌てて「メンズ」と付け加えた。

「めんず?って男?」

だから、そうですってば!

「男ねぇ…うーん…」

千葉の唸り声が聞こえてくる。その唸り声の長さに千葉の苦悩が見え隠れしていた。やはりいくらなんでもあつかましすぎるお願いだったのかもしれない。まだ、金を貸してくれと言われたほうが千葉だって楽だったろう。だって、こんなブスなあたしを紹介できるはずなどないのだから。

けれど、もしもあたしが美人だったら…。

あたしは、またもや「もしもあたしが美人だったら」という、「もしドラ」ならぬ「もしビジ」を考えては、落ち込んだ。行き着く先はそこばかりである。あたしの根性は、もはや、ねじり菓子ばりに曲がっているのだ。
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