アンラッキーなあたし
悶々とするあたしに、

「大丈夫だって!俺、小学校の学芸会で(ごんぎつね)の魚売りを務めたこともあるからな」

と、胸を張る千葉。

小学校?ごんぎつね?

火あぶりの刑決定である。せめて「ごん」か「ヒョウジュウ」の役務めてからそんな大口を叩くがよい。

「そんなんじゃ、不安です」

すかさず不満を訴えた。この人には気まぐれのお遊びでも、あたしにとっては今後の人生がかかっているのだ。魚売りごときに人生をあずけられるわけがない。

< 201 / 354 >

この作品をシェア

pagetop