アンラッキーなあたし
「ま、今回は面白い物を見させてもらったってことで許してやるけれど、次に私を騙そうとしたら、その場でクビだから覚悟しときな」

「ははー。仰せの通りに」

見逃してもらったことは奇跡である。きっと、千葉が、ルコ先生の好みのタイプであったからに違いなかった。

「おい、桜庭。お前のお師匠さん、かっこいいな!」

千葉が目を輝かせる。

嘘だろ、おい。こんな意地悪婆さんのどこがかっこいいんだよ。

「あら、あんた本当にいい子だね。ああ、瑞樹さえいなきゃ、でえとに誘いたいんだけどねぇ」

「ぜひ、こんどご一緒させてくださいよ」

「困ったね、どうしようかねぇ」

千葉とルコ先生は、なぜか意気投合し盛り上がってる。

あたしは婆さんより劣るのか、と、落ち込みながら、約束の三ヵ月まで、あと二ヵ月しかないのを思い出し、頭を抱えた。
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