アンラッキーなあたし
「警察だ!伏せろ!」
警察官はドアを開けるなり叫んだ。

ええ?発泡?

アユカも瞬もも、瞬時に頭を抱え、伏せた。が、あたしは、今しかないとばかりに玄関へ走った。

HELP ME!

警察官の胸へ飛び込もうとすると、

「桜庭、逃げるぞ!」

「はい、おまわりさん!」

って、えぇ?

押し入ってきたのは、なんと警察官ではなく、千葉だった。

「千葉さん?!」

「桜庭、走れ!」

千葉があたしの腕を掴み部屋を飛び出す。

「く、くつ!忘れた!」

あたしは裸足だった。

「いいから!」

ようやく騙されたことに気づいた瞬の叫び声が、ずっと後ろの方から聞こえている。けど、あたしと千葉は振り返らず、全力で非常階段を駆け下りた。どうやら、あたしは、また千葉に救われたようだ。
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