アンラッキーなあたし
「お疲れ様でーす」

と、そこへ待ち人の声がオフィスへ響いた。

キターーーー!!

あたしは千葉に頼まれた熱々コーヒーをお盆に載せるとドキドキしながらオフィスへ戻った。

給湯室を出た途端、あたしの目は彼の姿を捉えた。

会社が取引している先の銀行員、中田修一さん。

今日もうっとりするほど素敵じゃありませんか。

「お疲れ様です」

中田さんは目があう人みんなにそう言いながらこちらに向って歩いてくる。あたしは、あまりの緊張に顔を上げることができない。
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