アンラッキーなあたし
そして、お見合いパーティーの日がやってきた。会場はホテルの宴会場だ。あたしは紹介の時と同じく一張羅のワンピースに身を包み決戦の場へ挑んだ。千葉はいつも通りのスーツ姿である。

美しい受付嬢にチケットを渡し、いざ戦場へ。会場に足を踏み入れ、目を疑った。明らかに女の方の人数が多いのである。よりどりみどり、ハーレム状態を期待していたあたしは愕然とした。

一体どういうことだろう?時計を見れば、もはや開始時間間近であった。男は、みな、遅刻してくるんだろうか?

そうこうしているうちに会場のドアが閉められた。ぼうっと突っ立っていると、目の前に年の功四十は越えているであろう、やたら着飾った女二人が現われ、会場を一瞥すると、こそこそと話し始めた。

「今日は男が25人で女が40人参加らしいわ」

「あら、前回より男が多いじゃない?」

「でも、その分女も増えてる」

「確かに。やあね、一昔前はよかったわよ。女方が少なくて男もレベル高くて。会費だって、女性無なんてとこもあったのにね」

「本当ね。あの時、さっさと決めとくんだった」

お見合いパーティーベテランという風情と貫禄を兼ね備えた女二人がため息混じりに会話している。

ずいぶん前からお見合いパーティーへ精を出しても相手の決まらない二人を目の前に、あたしの心は既に折れていた。

「女の方が多いな?」

千葉があっけらかんと言った。

男の方が多いって言ったのは誰だよ、おい。まったく無責任にも程がある。
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