アンラッキーなあたし
あたしたち参加者は胸に番号の書かれたバッジをつけるように指示されていた。受付であらかじめもらっていのだ。
あたしのナンバーは29番。にくだ。千葉は18番。末広がりのいい番号ではないか。
改めて会場を見回すと、ここは動物園、或いは水族館ではなかろうかと目を疑うような光景であった。ゴリラや、ジンベイザメ、ヤギや、ヒラメや、カピバラや、メザシに酷似した人間がうろうろしている。勿論、あたしもそのの一人である。他人の目に、あたしはどんな生物に映っているのだろうか?
ここにいる者の多くはあぶれ者や、残り者ばかりなのだろう。けれど、その余りものの中からでも少しでもマシなものが欲しいというのが人情である。見切り品コーナーから少しでも痛んでいない野菜を探すような心境と似ている。
「お、気合入ってるな」
お気楽野郎・千葉が目をぎらつかせるあたしの肩を叩いた。
「まずは指定されたテーブルに座るんだとよ」
偶然にも、あたしと千葉は同じテーブルだった。そのテーブルには、あたしと千葉の他に、メザシのように貧相なおやじと、ブタのように肥えた女と、お見合いパーティーベテランの片割れと、そして、どこから迷い込んだのかうさぎのように可愛い色白の女の子が座っていた。しかも、このうさぎちゃん相当若そうである。二十代も前半といった感じだ。サクラに違いない。
他のテーブルの男どもの視線がうさぎちゃんに注がれている。この会場にいる男の9割がうさぎちゃんを狙うこと間違いなしだ。いや、男だけじゃない。女もこのテーブルを気にしてそわそわしている。彼女達のお目当ては千葉だろう。どういうわけか参加者1の美男美女が同じテーブルに座ってしまったようだ。
あたしのナンバーは29番。にくだ。千葉は18番。末広がりのいい番号ではないか。
改めて会場を見回すと、ここは動物園、或いは水族館ではなかろうかと目を疑うような光景であった。ゴリラや、ジンベイザメ、ヤギや、ヒラメや、カピバラや、メザシに酷似した人間がうろうろしている。勿論、あたしもそのの一人である。他人の目に、あたしはどんな生物に映っているのだろうか?
ここにいる者の多くはあぶれ者や、残り者ばかりなのだろう。けれど、その余りものの中からでも少しでもマシなものが欲しいというのが人情である。見切り品コーナーから少しでも痛んでいない野菜を探すような心境と似ている。
「お、気合入ってるな」
お気楽野郎・千葉が目をぎらつかせるあたしの肩を叩いた。
「まずは指定されたテーブルに座るんだとよ」
偶然にも、あたしと千葉は同じテーブルだった。そのテーブルには、あたしと千葉の他に、メザシのように貧相なおやじと、ブタのように肥えた女と、お見合いパーティーベテランの片割れと、そして、どこから迷い込んだのかうさぎのように可愛い色白の女の子が座っていた。しかも、このうさぎちゃん相当若そうである。二十代も前半といった感じだ。サクラに違いない。
他のテーブルの男どもの視線がうさぎちゃんに注がれている。この会場にいる男の9割がうさぎちゃんを狙うこと間違いなしだ。いや、男だけじゃない。女もこのテーブルを気にしてそわそわしている。彼女達のお目当ては千葉だろう。どういうわけか参加者1の美男美女が同じテーブルに座ってしまったようだ。