アンラッキーなあたし
「えぇ?そうなんですか?きゃははー!」

やたら甲高い笑い声がすぐ近くで聞こえる。そのせいで、あたしは、林家ぱーこの夢を見ていた。ぱーこがお見合いパーティーでぺーを裏切って他の男へ乗り換える。そんな夢だった。

ああ、よく寝た…。


え?寝てた?

びっくりして飛び起きると、パーティーはとっくに始まっていた。会場はざわめき、華がないないなりに華やいでいる。周りを見わたせばいくつかのカップルもできあがっている。あたしにぱーこの夢を見させた甲高い笑い声の主は豚女で、彼女はメザシ男相手にはしゃいでいた。完全に出遅れてしまった。千葉を探すと、例のうさぎちゃんと談笑しているではないか。

なぜ、起してくれなかったんだ!自分ばっかり!

しかし、ここで千葉を責めても何も始まらない。というより、寝たあたしが悪い。さて、あたしも誰かと話さなくては…と相手を探したものの、なんせ男のほうが圧倒的に少ないのだ。あたしの相手をしてくれそうな人が見つからない。

困った。誰と、どんな話をしたらよいのだろう?

ウーロン茶片手に、そう広くない会場をうろうろして相方を探した。

誰か、声かけてくれよ、おい。

しかし、誰もあたしにはなしかけてくるものはいない。ウーロン茶を三回おかわりし、会場をコンパニオンよりもくまなく歩き回る事5週目、「あんのぉ」と、ついに声をかけられた。
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