アンラッキーなあたし
「続いては、29番。桜庭さくらさんに告白したい方はいませんか?」
あたしは顔をあげることができなかった。どうせ結果は見えているのだ。
あまり引っ張らないで終わらせてくださいよ、おばちゃん。それが情けですよぉ。
「桜庭さんへ告白したい方はどうぞ」
会場がざわめく。
なんだよ、そんなに惨めなあたしがおかしいのかよ。
そう思って顔を上げると、目の前には千葉が立っていた。
なんで?立花ミズ菜に告白しなかったの?
千葉はやや緊張した面持ちで、
「俺でよかったらお願いします」
そう一言だけ言った。
ああ、そうか。千葉はまたあたしを助けようとしているんだ。あたしが惨めにならないように。カピバラさんに裏切られたあたしに同情してるんだ。
「さあ、桜庭さんの答えは!」
おばちゃんがいちいちはやし立てるのが耳障りだ。
あたしはね、今、猛烈に感動してるの!千葉の優しさに胸を打たれてるんだよ。バカな千葉。折角のチャンスを棒に振ってさ。可愛い彼女ができたかもしれないのに。千葉、ありがとう。そして、迷惑ばかりかけて…
「ごめんなさい」
あたしは感謝とお詫びの気持ちを込めて深々と頭を下げた。
「残念!カップル成立ならずぅ」
おばちゃんの声にはっと我に返る。
おや?あたし、今、なんて言った?確か、ごめんなさいって…。
し、しまったぁ!
こともあろうか、あたしは公衆の面前で千葉を振ってしまったのだ。千葉は、明らかに怒っていた。口ぱくで「しね」と言うほど、怒り狂っていたのである。
あたしは顔をあげることができなかった。どうせ結果は見えているのだ。
あまり引っ張らないで終わらせてくださいよ、おばちゃん。それが情けですよぉ。
「桜庭さんへ告白したい方はどうぞ」
会場がざわめく。
なんだよ、そんなに惨めなあたしがおかしいのかよ。
そう思って顔を上げると、目の前には千葉が立っていた。
なんで?立花ミズ菜に告白しなかったの?
千葉はやや緊張した面持ちで、
「俺でよかったらお願いします」
そう一言だけ言った。
ああ、そうか。千葉はまたあたしを助けようとしているんだ。あたしが惨めにならないように。カピバラさんに裏切られたあたしに同情してるんだ。
「さあ、桜庭さんの答えは!」
おばちゃんがいちいちはやし立てるのが耳障りだ。
あたしはね、今、猛烈に感動してるの!千葉の優しさに胸を打たれてるんだよ。バカな千葉。折角のチャンスを棒に振ってさ。可愛い彼女ができたかもしれないのに。千葉、ありがとう。そして、迷惑ばかりかけて…
「ごめんなさい」
あたしは感謝とお詫びの気持ちを込めて深々と頭を下げた。
「残念!カップル成立ならずぅ」
おばちゃんの声にはっと我に返る。
おや?あたし、今、なんて言った?確か、ごめんなさいって…。
し、しまったぁ!
こともあろうか、あたしは公衆の面前で千葉を振ってしまったのだ。千葉は、明らかに怒っていた。口ぱくで「しね」と言うほど、怒り狂っていたのである。