アンラッキーなあたし
「きゃーー!」

「ひぃ~!!」

目を覚ました彼女は、顔にピッタリの可愛い声で叫び、アタシは顔にピッタリの冴えない声で叫んだ。

「あ、あんた誰よ!」

あ、桜庭です。って、違う!つい、彼女の愛らしさに見とれていたけれど、そういえばこの子は一体誰なのだ?

「あたしはこの部屋の住人です!あなたこそ、誰ですか?人の部屋で眠ったりして」

そう言うと、彼女はキョトンとした。

「え?まさか、あなた翔大の彼女?」

はぁー?翔大!?翔大って誰よ?

「弥生!!」

と、そこへ、残業で遅くなるはずの千葉が突然帰ってきた。

「翔太!会いたかった!」

千葉に抱きつく眠り姫。

そういや千葉は翔太って名前だったっけ?そんで眠り姫は弥生。ついでにあたしはさくら。

一件落着…。

じゃ、ない。あたしはドラマのワンシーンみたいな再開を果たす2人を交互に見つめた。
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