アンラッキーなあたし
「まぁ、あの男とあんたじゃ不釣り合いだよ。」

「わかってますよぉ…」

いじわるだな。わかってるけれど、そう言われると傷つくじゃないか。

必要以上に否定しておきながら、がっくりするあたしは、結構分かりやすい性格だ。


「でも、相性は悪くないよ?ほら、あんたは彼にとって勝利の女神。あんたと一緒にいると、彼は幸せになれるんだけどねぇ。」

「え?本当?」

どうやらルコ先生は勝手に占ったらしい。

そうか、相性はいいのか。なんだか嬉しかった。

そういえば、あたしが占いで同じようなことを告げたとき、女の子達の顔は花が咲いたように輝く。今、その気持ちが分かった。確信はなくとも、その一言でどれだけ救われ、幸せな気持ちになれることか。占いに来る女の子達は、真実以上に、心の救いを求めているのかもしれない。

でも…。

「いくらあたしと相性がよかろうが、あたしが千葉さんにとってラッキーアイテム的存在だろうが、千葉さんがあたしを必要としてくれなきゃ意味ないですから」

それが、現実なのだ。

「まぁ、頑張りんさい。ダメならダメでホームレス占い師ってのも悪くないだろ?珍しがって話題になるかもしれないよ?」

ホームレス占い師…。ちょっと斬新でいいかも。
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