アンラッキーなあたし
あたしの鳩胸は、しばらくキョウラクのパチンコ台のごとくキュンキュン鳴りっぱなしだった。
憧れの中田さんと今日はいつもよりたくさん話せた。それに、話す口実ができた。けど、派遣で一人暮らしのあたしには貯金するお金も余裕もない。
複雑な気分でデスクに戻ると、書類が山積みに置いてある。あたしに気づいた恵梨菜が、くるりと振り向くと、
「さ、手分けしてさっさと終わらせちゃおう!」
と、ガッツポーズをした。
あたしの分はすでに終わっていた。つまり、これは恵梨菜のぶんだ。
「これ、三ツ屋さんの仕事だよね」
ぼそっと言うと、
「わたし、今日合コンなんだ。だからお願いよ。いい人いたら桜庭さんにも紹介してあげるから」
恵梨菜は人差し指でキーを弾きながら肩をすくめた。
自分でやれよ。
喉まで出かかった言葉をぐっと飲み込むと、あたしはそっとペンケースに目をやった。
憧れの中田さんと今日はいつもよりたくさん話せた。それに、話す口実ができた。けど、派遣で一人暮らしのあたしには貯金するお金も余裕もない。
複雑な気分でデスクに戻ると、書類が山積みに置いてある。あたしに気づいた恵梨菜が、くるりと振り向くと、
「さ、手分けしてさっさと終わらせちゃおう!」
と、ガッツポーズをした。
あたしの分はすでに終わっていた。つまり、これは恵梨菜のぶんだ。
「これ、三ツ屋さんの仕事だよね」
ぼそっと言うと、
「わたし、今日合コンなんだ。だからお願いよ。いい人いたら桜庭さんにも紹介してあげるから」
恵梨菜は人差し指でキーを弾きながら肩をすくめた。
自分でやれよ。
喉まで出かかった言葉をぐっと飲み込むと、あたしはそっとペンケースに目をやった。