アンラッキーなあたし
彼の本当の名前は進藤さんと言った。

だからHNシンディーか…。

シンディーはとても疑い深くて、あたしに下の名前を教えてくれない。過去に何度も騙された経験があるからだ。けれど、あたしはそれを責めたりしない。シンディーの気持ちは痛い程良くわかる。だから、あたしたちは互いをさぐり合うようなメールばかりしている。

正直、時々疲れる。

けど、シンディーはまさにあたしだ。誰にも相手にされず、いつも人に踏み台にされ、騙され続けてきた弱者。にも関わらず、誰かの温もりを求めずにはいられない孤独な人。

シンディーの信頼を得るため、あたしは望まれればいつでもメールをした。
シンディーもあたしを不安にさせないように毎日メールをくれた。仕事の時間以外は、だいたいシンディーとメールをしている。シンディーがあたしの心の隙間を埋めてくれるのは間違いない。会った事も話した事もない男と、あたしはぴったりと寄り添っている。
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