アンラッキーなあたし
でも、確かシンディーのメールで約束の時間まであと30分って…。

つまりは長谷川産業との約束まであと30分!

でも、シンディーが、裏切ったら呪うって…。

ああ~!!

あたしは悩んだ。この短い時間にはげるんじゃないかというくらい悩み、悩みぬいた結果決めた。

よし!悩んでる暇はない!あたしは走る!本当に好きな人のために!それで不幸になるなら本望だよ!

あたしは千葉との約束を守るために再び走りだした。

タクシーを使えば確実に間に合う距離なのだが、あいにく、手持ちの金がなかった。引っ越し費用につぎ込んだため、貯金も底をついた。だから走るしかない。

あたしはひたすら走った。すぐに息はあがり、心臓は、バブル期のジュリア東京ぐらいすごい事になっている。化粧は溶け、髪の毛は逆立ち、洋服は乱れまくる。その姿はまるで、日本昔話しの山姥のようだろう。

それでもあたしは走った。

ジョイナーのごとく。
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