アンラッキーなあたし
次に気がついた時、あたしは応接室で横になっていた。

「す、すみません!」

飛び起きたあたしに。社長はミネラルウォーターを差し出してくれた。

「脱水状態を起こしたんだろう。さあ、飲むといい」

脱水状態…。

あたしは渡されたミネラルウォーターをごごく飲んだ。なんだか体の節々も痛くて、ブリキの人形みたいにギチギチする。

「君、走ってここまで来たの?また、なんで?」

社長が怪訝な顔をする。

だって、お金がなくて、とはさすがに言えない。

「あの…、契約は…。」

一息つくと、あたしは訪ねた。社長は葉巻を吸いながらふんぞり返る。

「五分遅刻だ…。」

「え…」

「だから、遅刻だ」

ガッチョーン、である。あんなに走ったのに。脱水症状まで起こしたのに。千葉と約束したのに…。

あたしは再びぶっ倒れそうになった。
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