アンラッキーなあたし

「ほら、これ」

「ありがとうございます」

あたしは深々と頭を下げ、それを受け取る。

やりましたよ、千葉！

｢千葉君はいい彼女を持ったねぇ｣

打って変わって穏やかな口調で社長がそんなことを言うものだから、あたしは慌てて否定した。

｢えっ？えぇー！違いますよ。あたし、そんなんじゃ…｣

「まあ、まあ、照れなさんな」

社長の耳にあたしのいいわけは届かない。

まあ、いっか。頑張ったご褒美としてその言葉を受け取ろう。

あたしも照れて笑った。