アンラッキーなあたし
新居
いよいよ新居へ移る日の朝、あたしはこまごまとした荷物をまとめたり、弥生と使っていたベッドカバーを取り替えたり、お風呂やトイレをぴかぴかに磨いたりと忙しく動き回っていた。

その横では、弥生がペディキュアをほどこしている。

「弥生ちゃん、これからはきちんと掃除や洗濯も頑張ってくださいよ」

「はーい」

生返事をする弥生にあたしの不安が募る。

まさか、家事一切を千葉にやらせるつもりではないでしょうね?そして、食事は外食にたよりきり。

そんな生活じゃあ、いつか体を壊す。

でも、千葉はそれでも弥生といたいのだから、仕方が無い。

「ヤヨもそろそろ荷物取りに行かないとな」

弥生が独りごちた。

それは、つまり、暴力男と別れるという意味だろう。
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