アンラッキーなあたし
「あたりだろ?」

「違い、ます…」

だんだんと声が小さくなっていくあたしに、ルコ先生は眉を潜めた。先生の前で嘘はつけない。だって、この人は魔女なのだから。あたしの心の中などお見通しなのだ。

「あんたさ、人には偉そうな事言うけれど、自分じゃ、いつも辛い事から逃げてばっか。現実から目をそらしてばっか。何でもかんでも他人のせい。そんなんじゃ自分はいつまでたっても幸せになれないよ」

だって、しょおうがないじゃないか。あたしはそういう宿命のもとに生まれたのだから。それが、あたしの運命なのだ。

「でも、ルコ先生前に言ってましたよね。運命は変えられるけど宿命は変えられないって」

「宿命っていうのは、生まれて来る事と死ぬ事だけ。あとは全部運命なんだよ。あんたはさ、他人の運命だけじゃなく、自分の運命も変えてみようって気にはならないのかね?」

そんなこと、考えたとこもなかった。ううん、熱望はした。けど、自分じゃどうにもならないから、だから、いつも他の何かに頼っていた。それが占いやオカルトや不思議グッズだった。
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