アンラッキーなあたし
「え、やだ。冗談ですよね?あたし、謝ります。だから嘘だと言ってくださいよ」

「嘘じゃないよ。本気。あたしも年だし」

いやいや、脂の乗った40代ではなかったのですか?

「これからはのんびり一人で、週休2日制でやってこうかと思ってるんだ」

あんたは公務員か!

「だ、だったら、週末はあたしにここ貸して下さいよ。もちろんショバ代は払いまっせぇ」

腕にぶら下ったあたしを、ルコ先生は、老女とは思えない力で振りほどいた。

「いやだね。私のいない間に、私の城に誰かいるなんて、絶対にいや!」

「そんな。だったらあたしはどうすりゃいいんですか!」

「そんなこと、私の知ったこっちゃないね。私はね、色々忙しいんだ」

「え?のんびり週休2日制なのに?」

「でぇとが忙しい」

「で、でえと?」

ルコ先生はぽっと頬を赤らめた。
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