アンラッキーなあたし
ああ、瑞樹よ。この色ボケをどうにか説得してくれ。

あたしはプリクラの中で爽やかに微笑む瑞樹にテレパシーを送った。

ルコ先生は春爛漫とばかりにう浮かれている。だめだ、先生の周りに蝶が飛んでいるのが見える。

この様子だと、しばらくは瑞樹にかまいっきりで、占いの館のことなどどうでもよくなるだろう。そしたら、あたしはどうしたらいいんだろう?

ためしに手元のタロットカードを引いてみると、塔のカードが逆さに現われた。

塔・逆位置

どうしようもない状態。

ダメだ、こりゃ。

「先生、最後にもう一度聞きますけど、まじですか?」

「大マジだよ。今日も開店休業。これからでぇとだから。さ、あんたもとっととお帰りよ」

ルコ先生は、一寸の迷いもなくあっさりと答えた。

どうやら、あたしはまた、居場所をなくしつつあるようだ。
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