アンラッキーなあたし
ザクッ!派遣切り!
「君さ、今月でおしまいね」

ハゲの内田が、椅子にふんぞり返って何か喋っている。

はい?

ハゲの目の前にいるのはあたしonly。

そんなマンツーマンな状況にも関わらず、あたしは思わず辺りを見回してしまった。

「君だよ、君。君に言ってるの桜庭君」

ハゲの人差し指があたしに向かって真っ直ぐに伸びた。

「え?な、なぜですか?だって、人手不足のはずでは?」

我を忘れて前のめりになって叫んだあたしに、

「いやぁ、なぜと言われても上からの指示だからね。わたしだって辛いんだよ」

耳をほじほじ、内田のハゲは全然辛そうな素振りを見せずそう答えた。

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