アンラッキーなあたし

「女はいいですよねぇ。最終的に結婚しちゃえばいいんですから」

あたしたちのやり取りを見ていたブタの小杉が横から口を挟む。

てめぇなんか糖尿病になっちまえ！

心の中でハゲとブタをこてんぱにしながら、あたしはなおもすがった。

「なぜ、どうして？どうしてあたしなんですか？」

内田に呼ばれたのはあたしだけだ。恵梨菜は涼しい顔でパソコンを弾いている（北斗打ちで）。

確実にあたしのほうが仕事が出来るのに、なぜ？なぜ？もひとつおまけに、なぜあたしなのだ！

そう叫びたいのをぐっとこらえていると、何か察したように内田が、

「どうしてってさ、君、暗いんだよね。わが社のクリーンでエコなイメージに合わないんじゃないかな？あ、これはあくまでもわたしの意見だけれどね。ちょっとくらいパソコンができるからって自分はこの会社に不可欠な存在だなんて、思い上がりもいいところだよ？やっぱり女は愛嬌がなくちゃね」

口の端に泡をたけながらそんなことを言う始末。