アンラッキーなあたし
「な、なんちゃって…」

背中に、だらりと冷たい汗が伝わるのを感じた。みな、何か言ってくれればいいのに、何ごとも無かったかのように各自仕事に戻っている。

だ、だれか、なんとか言ってくれぇ。

「ククク…」

ふと見れば、千葉だけが声を押し殺して笑っていた。

「桜庭、ナイスぷっつんだ!」

ぐっと親指を立てられたあたしは、無表情のまま親指を立て返した。

穴を掘ってでも入りたい気分だ。

< 67 / 354 >

この作品をシェア

pagetop